心が満腹になる名作 映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」レビュー|料理のレシピ・感想など

公開日|2024年10月7日

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今回は、ジョン・ファヴロー監督の映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」を紹介します。マーベル映画「アイアンマン」の監督でも知られるジョン・ファヴローが、”本当に作りたかった映画”と銘打たれた本作は、全米で6館から上映がスタートすると、口コミで徐々に人気を集め、1298館にまで拡大するというスマッシュヒットを記録しました。

筆者は好きな映画を繰り返し見る癖があるのですが、この映画は少なくとも5,6回は見ていると思います。何か自分の人生に迷った時に、後押ししてくれるような、ハートフルで陽気な名作です。今回はそんな映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」を、あらすじや音楽、劇中に登場した料理のレシピ、監督のルーツなどを交えながら紹介していきます。

シェフ 三ツ星フードトラック始めました

監督・製作・脚本|ジョンファヴロー

公開|2014年

上映時間|115分

制作国|アメリカ

配給|ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

© 2014 Sous Chef, LLC. All Rights Reserved.

1 あらすじ

ロサンゼルスの一流レストランの料理長カール・キャスパーは、オーナーや評論家と喧嘩して退職。傷心のまま故郷マイアミに戻るが、そこで食べたキューバサンドイッチに感銘を受け、料理の移動販売を思い立つ。息子や仲間の協力を得て、カールはフードトラックを走らせ…。

2 シェフ 三ツ星フードトラック始めましたの評価

映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」のおすすめ度

★★★★★★★★★☆|9/10

この映画は誰にでもお勧めできる映画となっています。海外の映画評論サイトでも軒並み高評価を叩き出しており、物語やキャラクターや音楽、どれをとっても素敵な作品です。

3 シェフ 三ツ星フードトラック始めましたの感想

*映画鑑賞後にお読みください(ネタバレあり)

まず、この映画の特徴として、登場人物に”悪人”が一切出てこない、割と善人しかいない世界なんですよね。キャラクターによっては、「こんなお人好しいないだろ」という感想もあるのかもしれませんが、過剰な脚色をしていないので、「実際にこういう人いるかもしれない」と納得することのできる魅力的なキャラクターたちが描かれています。ジョン・ファヴロー監督のパーソナリティとも言える、底抜けの明るさがこの映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」の真髄と言えます。

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そして物語は主人公のシェフ、カールと息子のパーシーとの親子関係を軸に進んでいくのですが、序盤のカールのお雇いシェフとしての苦悩から、料理評論家とのSNSバトル、店を辞めてからキッチンカーのシェフとして再出発を決意するまでのテンポ感が良いんですよね。苦悩するディティールを深く掘り下げ、人生の再出発までを描く映画もたくさんある中で、この映画は料理にかける情熱を取り戻してから、カールとその周りの人間の人生がいかに豊かなものになっていくのかを描いています。

息子のパーシーが父親であるカールの料理人としての振る舞いや教えから成長していく姿、逆にカールは今までおざなりにしていた息子との時間を過ごすことで、コミュニケーションの大切さに気づいていくという2人の成長譚でもあります。カールがパーシーに諭すシーンの「お客さんが笑顔になると、パパは元気になる お前もきっとそうだ」というセリフは、何かに情熱を捧げる人に刺さりますよね。

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あと何より、出てくる料理が全部めちゃくちゃ美味しそう!というか絶対に美味しい!演出や料理自体の力もあると思うのですが、ジョン・ファヴロー演じるカールの料理人にしか見えない慣れた手つきと、あの美味しそうになんでも食べる感じが、見ているだけでお腹が空いてきてしまいます。完全に飯テロ映画ですよね(笑) 個人的には、一晩じっくりかけて焼く、テキサスBBQが食べたい!

最後にジョン・ファヴロー監督のSNSの描き方が素敵だなという感想を抱きました。今では誰もがやっているSNSですが、公開当時の2014年ってまだSNSに対しての理解が乏しかったと思います。しかしこの映画では、SNSでの暴言ツイートによって地位を失う姿と、SNSの口コミによって徐々に人気と知名度を獲得していく姿の両方を描いています。使い方によってSNSはこんなにも素晴らしいんだということを、息子のパーシーを通して観客に伝えている。ジョン・ファヴロー流石ですね。

少し長々と感想を書いてしまいましたが、この映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」は、終始底抜けの明るさが漂う素敵な映画になっています。何かモヤモヤするなとか、やる気が起きないなという時に見ると、背中を押してくれるようなそんなパワーを持っています。

4 シェフ 三ツ星フードトラック始めましたを配信で見る

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5 映画に出てきた料理のレシピ

cinedripは、おすすめの映画やアニメを紹介しているサイトなので、料理とは全く無縁なのですが、この映画を見たらお腹が減るのは必然。ついつい料理のレシピを調べてしまいました。全部を紹介するのは料理とほとんど無縁の筆者からすると修行なので、映画の中で印象的で、かつ初心者にも比較的作れそうなものを1品紹介させていただきます。

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紹介する料理のレシピは、ジョン・ファヴロー演じるカールが、スカーレット・ヨハンソン演じる元恋人でソムリエのモリーに振る舞ったスパゲティの”アーリオ・オーリオ”です。あのスカーレット・ヨハンソンが料理を待っているシーン、色気がありすぎて目が釘付けになりましたが、それは筆者だけではないはず。

レシピは、映画に登場する料理を再現されている、YouTuberのBabish Culinary Universeさんの動画(https://www.youtube.com/watch?v=bJUiWdM__Qw)から引用させていただきました。

アーリオ・オーリオのレシピ

材料


ニンニク 1/2 個(分離して皮をむく)

パセリ 1束(水洗い)

良質なオリーブオイル 1/2カップ

赤唐辛子フレーク 小さじ1

1/2ポンドの乾燥リングイネ

レモン 1/2個


調理方法


大きめの鍋にたっぷりの塩を入れて沸騰させます。

以下の手順を実行しながら、パスタをアルデンテに茹でます。

ニンニクを薄くスライスし、脇に置きます。 パセリの葉を茎から摘み取り、細かく刻みます。 大きめのソテーパンにオリーブオイルを入れ、中火でキツネ色になるまで加熱する。 スライスしたニンニクを加え、ニンニクがかろうじてトーストされるまで絶えずかき混ぜます。 赤唐辛子のフレークを加えて火から下ろします。

水を切ったパスタを加え、約1/4カップのパスタ茹で水に取っておいたものを加えます。 レモン汁とパセリを加えて混ぜ合わせます。 塩とコショウで味付けし、お召し上がりください。

動画を見るとより一層食欲が湧いてきますよね。あとマイアミでのキューバサンドは、この映画を見て知ったという方も多いはず。公開当時、見終えたらすぐさまバケットや材料を買ってキューバサンドを作っていたのを思い出します。映画に出てきた料理特集なんかやってみても面白そうですね。台所に立つ癖をつけておかなければ,,,。

お腹が減った方はぜひ動画のレシピを参考にして料理を作ってみてはいかがでしょうか?

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6 映画を盛り上げる音楽たち

映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」を語る上で絶対に外せないのはサウンドトラックです。音楽スーパーヴァイザーを務めたのは、マチュー・シュライヤー。監督のジョン・ファヴローと一緒に、ロードムービーならではの盛り上がるプレイリストを完成させました。

ニュー・ウェイヴであったり、ダンスミュージックだったり、本当にノリノリな気分になるので、映画を観終わったらついついサントラを聴いてしまいます。特に筆者が好きなのは、新メニューを出したいカールとレストランのオーナーが喧嘩をした後、カールが料理を作るシーンでかかる曲、Liquid Liquid(リキッド・リキッド)のCavernです。ニュー・ウェイヴの超カッコいい曲です。

Liquid Liquidは、アメリカ・ニューヨークのバンドで、数枚のEPをリリースした後は活動を休止しているのですが、休止しても尚、数々の音楽アーティストに影響を与えているバンドです。

他にもたくさん気分が上がる曲がたくさんかかっているので、気になった方はサントラを聴いてみてはいかがでしょうか?

7 ジョン・ファヴローが本当に作りたかった映画

映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」は、監督のジョン・ファヴローが本当に作りたかった映画です。というのも実はジョン・ファヴローは「アイアンマン」「アイアンマン2」でメガホンを取り、「アイアンマン3」でもオファーを受けていたのですが、”一番作りたい作品”と撮影スケジュールが被るという理由から「アイアンマン3」の監督を降板します。

このことからもジョン・ファヴローが映画「シェフ」に対して並々ならぬ情熱を捧げているのかがわかりますよね。ビッグバジェット作品の「アイアンマン」を成功に導き、地位と名誉を手に入れたジョン・ファヴローですが、そこには大規模予算故のプレッシャーや本当に作りたい物とのギャップ、期待しているファンのSNSでの容赦ない書き込みなどが間違いなくあったはずです。

だからこそ、有名作品の監督オファーを断ってでも、予算が限られていても、本当に作りたい物語が出来上がるのならばそれで良いという、ジョン・ファヴローの信念が伝わってくる。そしてその熱い思いに応えるように、ロバート・ダウニー・Jr.やスカーレット・ヨハンソンが友情出演したことも納得です。

容赦ない酷評をする料理評論家にレストランで怒鳴る姿も、一度は自信を失ったシェフがお客さんが美味しいと喜ぶ姿を見て情熱を取り戻していく姿も、ジョン・ファヴロー本人と重なります。そしてフードトラックが口コミの評判で人気になっていくのは、まさにこの映画が口コミによって上映館数が拡大し、大ヒットを記録する事を予想していたかのような素晴らしいストーリーでした。

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このシーンはなぜかツボ(笑)

食への愛、音楽への愛、人への愛、何よりも映画を作ることへの愛が詰まった映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」。長々と感想を書いてしまいましたが、やっぱりアメリカンなハートフルコメディ映画っていつ見ても楽しいんだなと素直に感じました。

また背中を押してもらいたい時に見ようと思います。