王道ラブコメの新たな可能性 アニメ「負けヒロインが多すぎる!」レビュー|評価・聖地・最終話までの感想(ネタバレあり)

公開日|2024年10月3日

*この記事には広告が含まれています

今回は、2024年夏アニメの中でも覇権との呼び声が高いアニメ「負けヒロインが多すぎる!」を紹介する。ライトノベル作家、雨森たきびの原作小説のアニメ化で、ラブコメで不憫な扱いを受ける「負けヒロイン」を題材にするという新たな切り口で話題を呼んでいる。そんなアニメ「負けヒロインが多すぎる!」を声優や聖地、最終話までの感想などを含めてレビューしていく。

負けヒロインが多すぎる!

原作|雨森たきび「負けヒロインが多すぎる!」(小学館「ガガガ文庫」刊)

キャラクター原案|いみぎむる

監督|北村翔太郎

シリーズ構成|横谷昌宏

キャラクターデザイン|川上哲也(A-1 Pictures)

制作|A-1 Pictures

公式サイト|https://makeine-anime.com

1 負けヒロインが多すぎる!の評価

アニメ「負けヒロインが多すぎる!」のおすすめ度

★★★★★★★★★☆|9/10

2 負けヒロインが多すぎる!の作品情報

あらすじ

自称クラスの「背景キャラ」温水和彦は、ある日クラスの人気女子・八奈見杏菜が幼馴染の男子生徒に振られている現場を目撃してしまう。その後も、陸上部の焼塩檸檬、文芸部の小鞠知花という負けヒロインたちと関わりを持つようになり、和彦の学校生活は次第に変化していくことになる。

負けヒロインが多すぎる!の主なキャラクター・声優

温水和彦(CV 梅田修一朗)

©雨森たきび/小学館/マケイン応援委員会

本作の主人公で高校1年生。ライトノベルの愛読家で、友達は1人もいない。何事も達観するスタンスを保っていたが、八奈見杏菜が振られる現場を目撃してからは様々なトラブルに巻き込まれることになる。学校の水道水の味にこだわりがある。

八奈見杏菜(CV 遠野ひかる)

©雨森たきび/小学館/マケイン応援委員会

本作の負けヒロインの1人で和彦のクラスメイト。明るく、愛嬌のある性格をしており、クラスの人気者だが、少し抜けた一面もある。片思いをしていた幼馴染に振られるところを和彦に目撃されてしまう。かなりの食いしん坊である。

焼塩檸檬(CV 若山詩音)

©雨森たきび/小学館/マケイン応援委員会

同じく負けヒロインの1人で和彦のクラスメイト。陸上部のエースで、性格も天真爛漫なためクラス内でも人気がある。幼馴染の綾野光希に恋心を抱いている。

小鞠知花(CV 寺澤百花)

©雨森たきび/小学館/マケイン応援委員会

同じく負けヒロインの1人。和彦とは同級生で文芸部に所属している。極度の人見知りの性格故に友達がいない。文芸部の先輩である玉木慎太郎に好意を持っている。

3 負けヒロインが多すぎる!の聖地はどこ?

アニメ「負けヒロインが多すぎる!」の聖地は愛知県豊橋市だ。豊橋駅や豊橋市周辺を主に舞台にしており、その再現度の高さがアニメからも見てとれる。なんと丁寧に公式サイトで聖地巡礼マップを公開していたので、アニメを見て聖地を巡りたいと思った方はこちらを参照してみてはいかがだろうか。

アニメ「負けヒロインが多すぎる!」の聖地巡礼マップはこちらから

https://makeine-anime.com/special/map

まさに現実の豊橋市に負けヒロインたちが生きているというくらい徹底的にロケハンが行われ、製作が行われたのだなとしみじみ。余談だが、聖地巡礼という言葉が割とポピュラーなワードになってきたのは、背景画のリアリティがどんどん増していっているからなのだろうなと思う。もちろんSNSの発展によるところも大きいのだろうが、アニメの1ファンとして製作に携わっている方々には頭が上がらない。

4 王道ラブコメだが成長譚が軸

この「負けヒロインが多すぎる!」の魅力的なポイントはラブコメディのラブの部分が主軸ではなく、等身大の高校生たちの成長譚を軸に描いているところだ。思いを寄せていた人に振られてからそれぞれの登場人物たちのストーリーが始まっていく。負けても日常が続いていくという事実にどんな風に向き合っていくのかという本作の見どころだ。

そしてそんな「負けヒロイン」という一見悲壮感を漂わせるキャラクターたちがいるのにも関わらず、全体的にポップなストーリーに仕上げているのもポイントだろう。決してシリアスになりすぎず、かといってギャグ路線になりすぎず、恋愛に重きを置き過ぎずという絶妙な塩梅で本作は成り立っているのだ。

ただラブコメ好きとしては頭の片隅で、温水くんは結局誰とくっつくのかな、なんて考えながら2期を待つなり原作の続きを読むなりして待ってしまうのは性なのだが(苦笑)。

現代ならではの勘が良い主人公

*ネタバレが含まれています

あと面白さの要因として、主人公の温水くんの勘が良いところもある。少なくとも肝心なヒロインの告白を聞き逃してしまうようなことは無いだろうし、ライトノベルをたくさん読んでいるからか、ヒロインたちの行動の次の一手をなんとなく予想している。まさに”普通のラブコメ”を知っている視聴者と同じ目線で物語が進んでいくのが見ていて心地が良いのだ。

2話での体育倉庫での温水と檸檬が閉じ込められるシーンでは、「俺と焼塩の間には、このイベを起こすためのエピソードが不足している」と勘違いしてしまいそうな自分にツッコミを入れて落ち着かせるなどなかなかキレが良い。温水くんのツッコミは作品終盤までずっとキレッキレなので、笑いっぱなしだった。

妹の温水佳樹が浮きすぎる!だがそれで良い

©雨森たきび/小学館/マケイン応援委員会

そんなお約束シーンに耐性がある温水くんだからこそ、妹の温水佳樹が登場した際は、はてなマークが止まらなかった。リアリティラインなのかなと思ったら「お兄様」と呼ぶコテコテのラノベ主人公の妹が出てくる。眉目秀麗なのに極度のブラコンという、もしかしたら温水くんのイマジナリー妹なのではと少し疑ってしまいそうなレベルだが、これは続きの原作を見ないことには分からないのか。それとも妹も”負けヒロイン”の候補となってしまうのか。

少しリアリティからかけ離れているキャラクターの佳樹だが、やっぱり可愛いに全振りしているので、アニメファンには結局たまらない訳だ。筆者も原作を読んでみようと思う。

あと個人的に温水家がとんでもなく豪邸なのがツボだった。

雨森たきび先生の原作ライトノベルはこちら

5 EDのカバーソングが秀逸

ここ最近のアニメのOPやEDで、キャラクターたちが平成を彩った名曲の数々をカバーするブームが到来している。アニメ「パリピ孔明」のEDは2006年のmihimaru GTの大ヒット曲「気分上々↑↑」をキャラクターがカバーし、再ヒットを記録した。本作「負けヒロインが多すぎる!」のEDでもそのブームを踏襲し、平成の名曲が再燃している。

八奈見杏菜(CV 遠野ひかる)は、2000年のhitomiの大ヒットソング「LOVE 2000」をカバー、焼塩檸檬(CV 若山詩音)は2011年のKyleeの配信でも大ヒットを記録した「CRAZY FOR YOU」をカバー、小鞠知花(CV 寺澤百花)は2005年のYUIのメジャーデビューシングル「feel my soul」をカバーした。

どの曲も平成の名曲たちで、何よりキャラクターたちの性格や心情とリンクする歌詞になっているのも凄い。選曲した人たちのセンスが光ったEDとなった。この楽曲たちが収録された「マケイン応援!カバーソングコレクション」も発売しているので、気になった方はチェックしてみてはいかがだろう。

6 負けヒロインが多すぎる!を無料で見る

U-NEXTで無料視聴する

アニメ「負けヒロインが多すぎる!」をエンディングまで無料で視聴したい方には、動画配信サービスU-NEXTの無料体験を利用するのがおすすめです。U-NEXTは31日間の無料体験を実施しており、登録も時間がかからずにできるので、今すぐに観たい!という方にはおすすめです。

U-NEXTの無料体験を使って、お得な映画ライフを楽しんでください!

登録はこちらから

U-NEXTってどんなサービス?

U-NEXTは映画や海外ドラマ・国内ドラマ・韓流ドラマ・アニメなど20万本以上の動画タイトルが見放題のサービスで、国内最大級の配信サービスです。

動画コンテンツの中には「見放題」と「レンタル」があり、「レンタル」と表記の動画は別途の料金が必要です。

無料体験登録後は600円分のポイントが付与されますので、レンタル作品も追加料金なしで視聴することが可能になります。

さらにU-NEXTは動画コンテンツだけではなく、上記したポイントや個別課金によって雑誌や漫画といった書籍のコンテンツも楽しむことができるので、動画コンテンツだけでは満足できないという方にはもってこいのサービスとなっています。

U-NEXTの料金は?

U-NEXTは月額2189円(税込)

7 最終話を見終えての感想(ネタバレあり)

筆者はなんとなく1話を見た「マケイン」新参者だったのだが、その作画の素晴らしさとユニークなストーリーの虜になってしまい、最初から最後までめちゃくちゃ面白かった。特に最終話は原作者の雨森たきび先生の原案によるオリジナルストーリーとのことで、アニメならではのサービスシーンも多く、特に”観覧車でのキスシーン(?)”の後の八奈見さんの色っぽさはアニメでしか見れないだろう。

©雨森たきび/小学館/マケイン応援委員会

登場人物たちが可愛いのはもちろんだが、やはり王道のラブコメを新しい切り口から描くとこうも変わるのかと感心されられっぱなしの12話だった。一貫して温水くんと負けヒロインたちの成長譚が描かれているし、等身大の高校生は背中を押してもらえる内容にもなっているのではないだろうか。

本記事では紹介しきれなかったが、温水くんと取り囲む生徒会のメンバーや先生たちなどのキャラクターもオリジナリティがあって、かつ悪意を持ったキャラクターがいないのも良かった。

で、最終話の「八奈見さんの尊厳を守った」って結局何だったの?観覧車でキスしたの?

そういうとこだよ、温水くん