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「マンガ大賞2022」で大賞を受賞した『ダーウィン事変』。
原作未読だった筆者は、主人公が人間とチンパンジーの間に生まれた「ヒューマンジー」であること、そして重厚でセンシティブなテーマを扱った作品であるという事前情報以外、ほとんど何も知らない状態で第1話を視聴した。
これがかなり面白い。
慣れ親しんだ日常の中に、これまで存在しなかった新しい存在が生まれたとき、人や社会はどのように反応し、どう変化していくのか。本作はその過程を非常に緻密かつリアルに描き出しており、これまでに見たことのないタイプの作品だと感じさせられた。
今回の記事では、そんなアニメ『ダーウィン事変』第1話を視聴しての率直な感想を簡単にまとめていきたい。
※本記事には第1話の内容に関するネタバレが含まれます。未視聴の方はご注意ください。
ダーウィン事変

監督|津田尚克
原作|うめざわしゅん
(講談社「アフタヌーン」連載)
アニメーション制作|ベルノックスフィルムズ
放送|2026年
独占配信
| 配信サイト | 配信状況 | 無料期間 | 料金 |
| Prime Video | 見放題 | 初回30日間無料 | 600円(税込)~ |
※本ページの情報は2026年1月時点のものです。
最新の配信状況は公式サイトにてご確認ください。
あらすじ
アメリカ・ミズーリ州の片田舎に暮らす少年・チャーリーは、人間を超える知能とチンパンジーを超える身体能力を併せもつ、半分ヒトで半分チンパンジーの「ヒューマンジー」。
15歳になったチャーリーは、人間の里親の勧めで初めて学校に入学。
そこでチャーリーは、頭脳明晰だがコミュニケーションが苦手なルーシーと出会う。平穏な学校生活もつかの間、チャーリーはその出自の特異性ゆえに、「動物解放」を掲げる
テロ組織・ALAにつけ狙われることに!チャーリーは家族やルーシーを守るため、ALAと対決する道を選択する——
「テロ」「差別」「人権」「炎上」……ヒトが抱える問題に、
「ヒト以外」のチャーリーが、ルーシーとともに対峙する。ヒューマン&ノン・ヒューマンドラマが、ここに開幕!!
TVアニメ『ダーウィン事変』公式サイトより
ボーイミーツガール
高校に入学したチャーリー。
学校とは、人間関係の構築力や協調性が求められる、いわば社会の縮図とも言える場所だ。しかし、そんな小さなコミュニティに、既成概念を根底から揺さぶる生命体が現れたとすれば、空気が一変するのは想像に難くない。
案の定、入学早々チャーリーは周囲の生徒たちから好奇の視線を向けられ、次第に距離を置かれてしまう。フィクションでありながら、ティーンエイジャー特有の、近づけないけど、関心にはなりきれない絶妙な距離感の描写には、強いリアリティを感じさせられた。
しかし、ひょんなことから頭脳明晰な少女・ルーシーと出会ったことで、チャーリーの学校生活は少しずつ変化していく。
「ヒューマンジーなのってどんな感じ?世界の見え方が違う?」というルーシーの問いに、チャーリーが「ヒューマンなのってどんな感じ?」と問い返す場面は印象的だ。人間の視点だけを当たり前として生きてきた我々自身にも問いを投げかけるやり取りであり、思わずハッとさせられる。
この出会いは、人間社会における「人間」と「人間以外」という境界や価値観が、変わり得ることを示唆しているのかもしれない。
もっとも、本作はセンシティブなテーマを扱いながらも、原作者のうめざわしゅん先生が語る通り、その軸にはハートフルなスクールコメディが据えられている。社会問題だけに目を向けるのではなく、ボーイミーツガール作品として、チャーリーとルーシーの関係性がどのように変化していくのかを追っていくのも、本作の大きな楽しみ方のひとつだろう。
ALA
ALAは、動物解放を掲げる組織。
15年前、チャーリーを身ごもった雌チンパンジーを研究施設から連れ出したのも、このALAだった。
しかし第1話終盤では爆破テロを実行し、犯行声明まで発表していることから、彼らが単なる動物保護団体ではなく、理念から大きく逸脱したテロ組織であることは明白だ。
さらに、チャーリーをALAの戦争に巻き込もうとしていることからも、彼という存在そのものを利用し、人間社会を揺さぶることが目的のようにも思える。
とはいえ、人間であろうと動物であろうと、命の重みは同じという彼らの考え方には、色々と考えさせる部分もあり、一概に悪として切り捨てられないのかもしれない。
今後は、チャーリーを中心とした物語と、ALA側の思想や行動原理がそれぞれ掘り下げられていく展開に、その行方から目が離せない。
髭男の主題歌が最高
オープニング主題歌を担当するのは、Official髭男dismの新曲「Make Me Wonder」。
第1話では、OP映像とともにこの楽曲が流れたが、最高の完成度で、アニメ視聴後すぐにフルを聴き、リピートしまくっている。
ギターが前面に押し出されたロックナンバーでありながら、どこか未開の地へ踏み出すような高揚感と、ダンサブルな要素も併せ持っており、『ダーウィン事変』の持つ空気感に見事にマッチしている。
毎度のことだが、髭男はアニメ作品の世界観に寄り添いながらも、決してタイアップ然としない、彼らにしか生み出せないオンリーワンの楽曲を作り上げてくる。そのバランス感覚には、改めて驚かされる。
それは、彼らが特定のジャンルに縛られない柔軟な音楽性を備えているからこそだと思うが、「Make Me Wonder」を聴いていると、まだまだ引き出しを隠し持っているのではないかと感じさせられる。
ライブで披露されれば、さらに化けそうな一曲でもあり、願わくばぜひ生で体感してみたい。
ダーウィン事変(1) (アフタヌーンKC)

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