【感想&考察】仮面ライダーゼッツ 1話「始まる」世界基準のカッコよさが炸裂

公開日|2025年9月8日

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ついに放送が始まった令和ライダー第7作『仮面ライダーゼッツ(ZEZTZ)』。

夢の中に潜入するエージェントというユニークな設定や、シリーズ初となる胸に巻く変身ベルトは放送前から大きな注目を集めていた。

さらに、往年の仮面ライダーを彷彿とさせるデザインや、『007』シリーズをオマージュしたエージェントの主人公、さらに他人の夢の中に入り込むという、クリストファー・ノーラン監督の『インセプション』を思わせる設定など、思わず心を動かされる要素が盛りだくさん。

今回は、そんな仮面ライダーゼッツ 1話 Case1「始まる」を視聴しての感想と考察を、登場人物や主題歌、おもちゃ情報の紹介を交えながら話していきたい。

※本記事には第1話の内容に関するネタバレが含まれます。未視聴の方はご注意ください。

基本情報

脚本|高橋悠也

監督|上堀内佳寿也 ほか
主演|
今井竜太郎


制作|テレビ朝日・東映・ADKエモーションズ
放送|2025年

あらすじ
万津莫(今井竜太郎)は明晰夢の能力で、国民的タレントのねむ(堀口真帆)を鮮やかに救出、夢の中では困難なミッションをクリアする無敵のエージェントとして活躍している。ある夜、莫は突如、怪人・ナイトメアに襲われた。明晰夢では無敵と戦う莫だったが、なぜかナイトメアに太刀打ちできず逃げ惑う。追い詰められた莫は謎の人物に遭遇、ゼッツドライバーとカプセムを託されると仮面ライダーゼッツに変身した!

夢の中で自分が夢を見ていると自覚できる「明晰夢」という設定や、怪人の名前が悪夢を英語にした「ナイトメア」だったりと、本作のテーマが「夢」であることを強く印象付ける。

主な登場人物(キャスト)

万津 莫(今井竜太郎)|仮面ライダーゼッツ

好青年を自称する無職。夢を自覚しながら、思い通りに操ることの出来る「明晰夢」の能力を持ち、夢の中では「CODE」という組織のエージェントとして活躍している。

しかし、交通事故で昏睡状態に陥り、夢の中で怪人ナイトメアに襲われ心肺停止に。そんな危機の中、「CODE」から変身ベルトを手に入れたことで、仮面ライダーゼッツへと覚醒する。

ねむ(堀口真帆)

数多くのファンがいる、好感度ナンバーワンのタレントでCM女王。彼女が出演する広告は街の至るところで流れており、その人気の高さが伺える。

莫もねむの大ファンで、明晰夢の中にも彼女は出現する。

万津 美浪(八木美樹)

莫の妹。明晰夢でエージェント活動を行う兄に半ば呆れているが、事故に遭った際にはすぐさま駆けつけるなど、兄想いな一面も見せる。

富士見 鉄也(三嶋健太)

警視庁公安部怪事課所属で課長(警部補)。不可解な未解決事件・通称「ブラックケース」を扱い、悪夢からの侵略者「ナイトメア」の存在にも既に気付いている。

南雲 なすか(小貫莉奈)

警視庁公安部怪事課(警部補)に配属されたばかりのエリート。ナイトメアの話を聞いた際に否定的な態度を示していたことから、富士見とは正反対のポジションとなりそうだ。

赤く光るボディがカッコよぎる

まず真っ先に語りたいのは、仮面ライダーゼッツのデザイン。

これがもう、ぶっちぎりでカッコいい。

細マッチョアスリートのようなシルエットに、仮面ライダー1号を彷彿とさせる赤・緑・黒のド直球なカラーリング。それに加えて、変身ベルトを腰ではなく胸に巻くという革新的なアイデアが盛り込まれている。

小細工なしのカッコ良さと、令和ならではの新スタンダードの融合のような、新規ファンはもちろん、往年のライダーファンも思わず食いついてしまうような最高のデザインになっている。

さらに見逃せないのが、変身時に複眼とボディをほと走る赤い光。ナイトメアに襲われる悪夢の暗さと相まって、その赤はより鮮烈に映え、帯を含めて全体が光り出す変身ベルトの演出も、まさに”魅せる変身”といえる。

これは考察になるが、心肺停止に陥った莫がゼッツドライバーを装着した途端に心拍が戻ったことや、カプセムをセットした際の待機音が心臓の鼓動に似ている点から、ベルトそのものが生命維持に直結しているのかもしれない。

余談だが、スーツの発光ギミックを見て『555』のフォトンブラッドを思い出したのは筆者だけではないはず(笑)。

なお、本作は北米やアジア各国での展開が決定していることもあり、従来の令和ライダーに多かったキャッチーな雰囲気ではなく、アメコミ的なヒーロー像を意識したようなスタイリッシュでマッチョなデザインが採用されているように感じた。

ゼッツが世界でどのように受け止められるのかはわからないが、少なくとも長年のライダーファンを「カッコいい」と唸るせるだけのデザインであることは間違いない。

スタイリッシュで重厚な戦闘シーン

1話では、仮面ライダーゼッツの基本フォームであるフィジカムインパクトが登場。

フィジカル(身体)とインパクト(衝撃)を掛け合わせたような名前の通り、敵ナイトメアとの戦い方は肉弾戦がメインで、その一撃一撃には重さを感じる。特に、空中からの叩きつけるような蹴りは、SEも相まってとてつもない重量感が演出されており、もはや悪役のような匂いも漂わせていた。

決め技は、それぞれ異なる3連続キックで、最後は王道のジャンピングライダーキックというスタイリッシュなフィニッシュ。敵を倒す際には、スロット風演出の777からいびきの擬音であるZZZに変化。眠らせて撃破という流れからも、演出のこだわりを感じられる。

また、戦闘の舞台は不安定な夢の中らしく、不思議な現象が次々と起こり、舞台もころころと変わっていくのも非常に面白い。

ナイトメアに追われている時は、階段を登っていたのに降りていたり、扉を押していたのに引いていたりと、夢の迷宮のように彷徨う作り。逆にゼッツが優勢の時は、縛られていたはずの鎖で敵を縛り返したり、海、火山、落雷などの自然現象にも晒すことが可能で、変身者である万津莫の思い描く通りの夢となっていた。

なんでもありな夢の中なら無敵なのでは…という考えもよぎったが、1話の舞台は万津莫自身の夢であったため、自由な発想で戦闘が出来るようになった可能性が高い。

次回以降は、「他人の夢に潜入し、悪夢を止めるエージェント」として活動をしていくことが予想されるので、他人の夢では、今回のように自由度の高い戦闘が出来ないのかもしれない。

そもそも、夢の中にナイトメアの侵入を許すと、どうなってしまうのかも気になる。

怪事課の富士見によれば、不審死や失踪事件へと発展することが示唆されていたが、それらは無意識のうちに起きてしまうのか、夢の世界が現実世界とどこまで繋がっているのかも注目ポイントかもしれない。

万津莫の不幸と夢とねむの関係

明晰夢の能力を持ち、仮面ライダーゼッツへと変身した万津莫だが、彼に関する謎は多い。

莫が入院したシーンで、妹の美浪から「莫の運の悪さは世界級」と言われていたり、誰かを助けようとすると悪夢のような現実によって怪我を負うという、かなりの不幸体質であることが描かれていた。

一体どれほどの不幸が彼を襲っているのかというのも1話で判明。

中学時代には下校中に落雷が直撃し、高校時代には海で遊んでいたところサメに襲われて大怪我を負い、大学時代には隕石が肩に直撃するという、とんでもない災難に見舞われている。

これらの不幸な出来事全てが、誰かを救おうとした結果起きたのかはまだ分からないが、この原因不明の不幸体質と、莫の深層心理で「誰も救えない」という気持ちが、仮面ライダーゼッツへと変身させた可能性もありそう。

また、夢の世界で変身ベルトを託された莫が、現実世界で目覚めても装着していたことから、莫の明晰夢の世界はかなり特別であると考えられる。

ねむというヒロインも謎が多い。

莫の明晰夢に必ず登場しているようだが、毎回ピーチ姫のような囚われの身の存在として描かれていくのか。はたまた、ねむも明晰夢の能力を持っていて、莫のことも認識している可能性も大いにありそう。

シリアス寄りの作風の本作において、夢の中での莫とねむの掛け合いは、コミカルな良いアクセントになる気がするので楽しみだ。

ニチアサと澤野弘之の化学反応

仮面ライダーゼッツの主題歌は、NAQT VANE (ナクトベイン)の「VISIONS」。

緊迫感のある悪夢の世界と、そこで奮闘するゼッツを体現したような疾走感溢れる楽曲となっており、めちゃめちゃカッコいい。

カッコいいと同時に、「あれ…?どこかで聴いたことが…?」と思った人もいるのではないか。

そう、NAQT VANEのトータルプロデューサーは、『機動戦士ガンダムUC』や『進撃の巨人』などの劇伴を担当した天才作曲家の澤野弘之だ。

澤野節と呼ばれるほど独自の音楽スタイルを確立し、近年は世界的アーティストとのコラボなど活躍の場を広げているが、今回は仮面ライダーの主題歌をプロデュースするという、両者のファンの筆者にとって特しかないコラボレーションになっている。

子供に歌わせる気は微塵もなく、もはや大人でも歌うのは非常に難しいほどのスピード感があるが、仮面ライダーの主題歌ということを抜きにしても、テンションが上がる素晴らしい楽曲になっている。

おそらく2話では、OP映像と共に「VISIONS」が流れると思うので、非常に楽しみだ。

ゼッツのおもちゃ情報

仮面ライダーゼッツ 変身ベルト DXゼッツドライバー 4フォームチェンジセット

仮面ライダーゼッツ DXゼッツフォン

仮面ライダーゼッツ DXライダーカプセムセット01

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