世界に誇る新作アニメ「LAZARUS ラザロ」が伝説になる予感しかしない|1話の感想&考察・アクション・音楽などもレビュー

公開日|2025年4月12日

2025春アニメの中で、ひときわ異彩を放つオリジナルアニメ「LAZARUS ラザロ」がついに放送開始となりました。

本作は、「カウボーイビバップ」や「サムライチャンプルー」など唯一無二の作風で国内外に熱狂的なファンを持つ渡辺信一郎監督の最新作です。

制作会社は、アニメ界の最前線を走るMAPPAということで、渡部作品のファン、いや全アニメファン必見のタイトルと言っても過言ではありません。

そんな「LAZARUS ラザロ」について、あらすじや第1話を見てのアクションシーンの凄み、音楽などにも着目しながら、話していこうと思います。(※後半ネタバレあり)

LAZARUS ラザロ

原作・監督|渡辺信一郎
製作|MAPPA
放送|2025年4月〜
話数|全13

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あらすじ

©2024 The Cartoon Network, Inc. All Rights Reserved

西暦2052年。世界はかつてない平和な時代を迎え、それに大きく貢献していたのは、天才脳神経学博士スキナーの開発した鎮痛剤「ハプナ」だった。

副作用がない「奇跡の薬」として世界中に広まり、人類を苦痛から解放したハプナ。しかし、その開発者であるスキナーは突如姿を消し、その行方は誰も知らなかった。

それから3年後、彼は世界を破滅に導く悪魔として再び現れる。実はハプナを服用した者は、3年後に死に至るという罠が仕掛けられていたのだった。人類が助かる道は、残り30日でスキナーの居場所を見つけだし、彼が持つたったひとつのワクチンを使用するしかない。

そんなスキナーの陰謀に対抗すべく、世界中から集められた5人のエージェントチーム「ラザロ」。 彼らは、人類を救うことができるのか?そしてスキナーの真の目的とは――?


万能鎮痛剤「ハプナ」と世界の終わり

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第1話では、天才科学者「スキナー」が人間という生き物の本質に辟易し、この残酷な世界に終止符を打とうと、自身が開発した万能鎮痛剤「ハプナ」に仕掛けた「体内で突然変異し、人を死に至らしめる」という罠を人類に明かすという、衝撃的な幕開けでした。

サブタイトル『GOODBYE CRUEL WORLD』(日本語訳:さようなら残酷な世界)の通り、スキナーによる人間社会へ与えた痛烈な一撃は、世界を混乱に陥れます。

冒頭からここまで緊迫感ある展開というのは、まるでハリウッド映画のイントロのようで、久々に大人向けのSFアニメが見れるという期待が高まりました。

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そして、ハプナに仕掛けられた罠によって、一瞬で死が身近なものとなり、各地での混沌とした様子が映し出された瞬間に、筆者の頭によぎったのは、コロナ禍のパンデミック。

しかし、渡辺監督が本作のストーリーライティングを始めたのは、パンデミックの前だそうです。

ただ、渡辺監督は現実に起きている社会問題にインスパイアを受け、この「ハプナ」という毒薬のアイデアが生まれたということなので、人間が避けては通れないテーマという点ではパンデミックと類似しているとも言えます。

そして物語の本筋となるのは、このハプナにまつわる真相を突き止めるべく、何やら訳ありの人間たちで結成されたチーム「ラザロ」が、開発者のスキナーを見つけるために奔走していくということになりそうです。

特に、チームの指揮官でもある「ハーシュ」と謎の人物「アベル」の会話はかなり含みがあったので、2人のバックグラウンドは複雑なものがありそうでした。

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アベル「事態の進展は我々の予測を超えている。それに、こちらが動いていることを知れば、彼らは証拠隠滅の方向で動くだろう。迅速、かつ秘密裏に事を進めねばならん」

アニメ「LAZARUS ラザロ」

第1話『GOODBYE CRUEL WORLD

このセリフからは、ラザロ以外の第三者勢力もスキナーを追っていると分かるので、単純な鬼ごっこ的な展開ではなく、より物語は複雑化していくのではないかと推測できます。


TVアニメを超えたパルクールアクション

そんなスキナーの犯行声明など露知らずの、刑務所に収監されている「アクセル」という青年。1話の半分以上を占めていたのは、彼の華麗な脱獄&逃走シーンでした。

その驚異的な身体能力を買われて「ラザロ」メンバーへの勧誘を受けるアクセルですが、そんな厄介事は御免だと言わんばかりに、看守の隙をついて刑務所内を縦横無尽に駆け回り、脱獄を試みます。

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このアクションシーンがとにかくカッコいい。言語化をするよりも前に、見ていて頭の中が気持ちいという信号を出すほどのクオリティなんですよね。神作画でぬるぬる動いているのはもちろん、全てのアクションに違う動きが取り入れられているところも、これまでにない新しさを感じました。

前半の刑務所内でのアクションと後半の市街地でのアクションは、それぞれ日本の実力派アニメーターの方々が関わられているということで、どちらも見せ場を意識した甲乙つけ難い作り。

個人的には駅構内でのアクションで、アクセルが警察が持つ銃をピンポイントで狙った回し蹴りをするところが非常に好みで、リアルな動きとアニメーションならではの表現が良い塩梅にミックスされた至高のアクションとなっていました。

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そんなこんなで追っ手を振り切るアクセルでしたが、一息つこうかと言う時に、一緒に写真を撮ろうと言ってきた美女のクリスに気を許し、スタン攻撃を受けあっさり捕まってしまいます。

さっきまであんなに意気揚々としていたのに、ハニートラップには抗えないというのは、往年のスパイ映画の主人公のようなオールドスクールスタイルで笑ってしまいましたが、これがアクセルというキャラが色濃く出ているいるシーンなのでしょうか。

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そして半ば強引にラザロのメンバーとなったアクセルは、スキナーを見つけ、晴れて自由になることが出来るのか。はたまた、ラザロすらも彼にとっては監獄となり、再び逃走を図るのか。全く予想がつかないストーリーなので、今後も大いに期待ですね。

ちなみに2話以降では、映画「ジョン・ウィック」シリーズの監督、チャド・スタエルスキがアクションの監修に入っているとのことなので、アクション界の最前線の技術とアニメーションがどのような化学反応を起こすのかにも注目です。


ラザロの主役は音楽!?

ラザロを見た方のほとんどが抱いた印象だと思うのですが、音楽が「オシャレすぎないか!?」ということ。

戦闘シーンにジャズを入れてくるなんて、カウボーイビバップのファンからしたらヨダレが出てきてしまうくらいたまらない訳ですが、ビバップのことを話し始めると長くなるのでここでは割愛させてもらいます。

本作のサウンドトラックを担当したのは世界的アーティストの3組。新世代ジャズのカリスマ「カマシ・ワシントン」、イギリスを代表するエレクトロ界のトップ「ボノボ」、宇多田ヒカルとの共作も記憶に新しい天才「フローティング・ポインツ」という、それぞれ来日公演をしたならチケットは即完売してしまうくらいのミュージシャンたちの新曲が、この「ラザロ」では全て聞けてしまう、とんでもない豪華さとなっています。

先日サウンドトラックが配信となりましたが、アニメ「ラザロ」として1つにパッケージングされたアルバムではなく、それぞれのアーティストから1作ずつ、合計3アルバムというかなりのボリュームとなっているのには驚きました。渡辺監督からのラブコールに、2つ返事で快諾した彼らの本気度が伝わってきます。

印象に残った曲は、1話だけでもかなりの数ありますが、作品の方向性を決定づけた1曲はやはり、アクセルが刑務所から脱獄するシーンでかかっていた、カマシ・ワシントンの「Lazarus」でしょう。サントラとしても完璧な楽曲であり、それを度外視しても超一級の”踊れるジャズ”でした。

もちろんボノボやフローティング・ポインツの楽曲も最高ですし、これだけ贅沢なサントラだと、物語を楽しむための1回と音楽を楽しむための1回という、毎週2回の視聴は確定かもしれません。

音楽にはあまり興味がないというアニメファンの方も、この「ラザロ」という作品は、様々なジャンルの楽曲に触れる良い機会になるのかもしれないので、気になった方はサントラも是非チェックしてみてはいかがでしょうか。

今後の放送では、どんなシーンでどの楽曲が使用されるのか、音楽的な観点からも非常に楽しみです。


スキナーの目的を考察

さて、物語の肝心の部分。スキナー博士はなぜ「ハプナ」を使って人類を滅ぼそうとしているのか。元々は誰よりも平和と平等を望んだ人物という話があったので、尚更その理由が気になるところですが、1話の中で気になるセリフがありました。

スキナー「私はただの7番目のラッパ吹きにすぎないのだ」

アニメ「LAZARUS ラザロ」

第1話『GOODBYE CRUEL WORLD

7番目のラッパ吹きとは、新約聖書の聖典「ヨハネの黙示録」に登場するラッパを吹く7人の天使達の内の1人のことです。天使がそれぞれラッパを吹く合図とともに、あらゆる災害が地上で起こっていき、終末が訪れるという内容なのですが、スキナーの言葉通りなら、彼自身はあくまで1つの歯車でしかないという意味合いになります。

ですが、スキナーという天才科学者がただの殺戮テロをするとも思えないですし、ワクチンを見つければ人類は助かるという僅かな希望を示している点では、もしかしたら死という結末だけを望んでいるわけではないのかもしれません。

自分は神になったつもりはないというスキナーの真意は、彼以外の誰にもわからない、複雑なものなのかもしれませんよね。

姿を消していた3年間という空白の期間の中で、人生観を変えてしまうような出来事が起こったとも考えられますし、まだまだ謎は多いので、今後の展開が気になります。

個人的に、今期のアニメの中で覇権を取るのではないかと期待していた作品だったので、全13話の中で気になるトピックがあればまた感想&考察を書いていければと思います。