【SFマニアが選ぶ】SF映画のおすすめ10選!不朽の傑作からオリジナル作品まで|2024年最新版

公開日|2024年10月17日

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人類が未だ到達できない遥か宇宙の物語、もしかしたら起こり得るかもしれない破滅の未来、SF映画が描く世界は私たちに多くの興奮や感動、ロマンを与えてくれます。今回はシネドリップが厳選した、80年代のSF映画の金字塔と呼ばれる作品から、近代的な意欲作までを網羅した10本をご紹介します。

本記事が「SF映画を見たいけど、どれを見たら良いかわからない」という方の参考になれば幸いです。

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※本ページの情報は2024年10月時点のものです。最新の配信状況は各配信サイトにてご確認ください。


1.『インセプション』

(C) 2010 Warner Bros. Entertainment Inc.
監督|クリストファー・ノーラン
公開日|2010年 
上映時間|148分

他人の夢の中に潜入し、アイデアを盗み出す企業スパイのドム・コブ(レオナルド・ディカプリオ)は、その才能を使った犯罪のために、国際指名手配をされています。そんなある日、サイトー(渡辺謙)と名乗る男から依頼を持ちかけられ、成功すれば過去の犯罪歴を全て抹消し、母国に帰す事ができると言われます。しかし、その依頼とはコブが得意とするアイデアの盗み出しではなく、ターゲットの潜在意識にアイデアを植え付ける「インセプション」というものでした。

夢の世界を舞台にしたこの「インセプション」ですが、鬼才クリストファー・ノーラン監督が20年の歳月をかけて作り上げた物語の緻密さ、そしてCGを最小限に抑えて表現した夢の世界の映像は圧倒的。

また、一見難解なテーマにも見える本作ですが、ノーラン監督が参考にしたと公言する「007シリーズ」のようなスパイ映画としても楽しめますし、「オーシャンズシリーズ」のような集団犯罪映画の要素もあるため、SFをあまり見たことがない方にもおすすめの作品となっています。人の夢に入っていく主人公たちを見ながら、観客も何が現実で何が夢なのかを意識させる物語の構造は天才としか言いようがありません。何度見返しても新たな発見があるSF映画の傑作です。


2.『第9地区』

(C) District 9 Ltd.
監督|ニール・ブロムカンプ
公開日|2010年 
上映時間|111分

1982年、南アフリカ共和国のヨハネスブルク上空に突如として現れた宇宙船。未知の生命体の接触を期待する人類でしたが、調査隊が船内で発見したのは宇宙船の故障により難民となった大量の異星人たちでした。政府は異星人たちを難民として受け入れますが、特別居住区「第9地区」はやがてスラムと化してしまいます。エイリアンを良く思わない市民の強い要求もあり、超国家機関MNUは、エイリアンを新たな地区へ強制移住させることに。立ち退きを指揮する責任者のヴィカス(シャールト・コプリー)は、思わぬ事態に巻き込まれることになります。

侵略者としてではなく、難民としてのエイリアンを描いた異色のSF映画です。ドキュメンタリーチックな演出によって、信じ難い難民エイリアンの存在も、物語が進むに連れて現実味を帯びてきます。監督自身は「政治的な作品ではなく、あくまでエンタメ」と公言していますが、南アフリカ共和国でかつて行われたアパルト・ヘイト政策を思わせるテーマが根底にあるのだと思います。社会派とSFの要素が絡んだ見応えのある作品として、国内外の映画ファンからも軒並み高い評価を受けています。


3.『ガタカ』

© 1997 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC.
監督|アンドリュー・ニコル
公開日|1998年 
上映時間|106分

舞台は近未来。人類は人工授精と遺伝子操作によって生まれた「適正者」が優遇され、自然妊娠によって生まれた者は「不適正者」は劣等種とされ、職業差別が行われています。不適正者として生まれたビンセント(イーサン・ホーク)は、適正者しかなることができない宇宙飛行士を夢見て奮闘しています。そんなある日、ビンセントは最後の望みをかけ、DNAブローカーに接触します。

科学が人類の可能性を決定してしまうというディストピアを描いている本作。しかし、スタイリッシュな映像と音楽によって「ガタカ」の非道な世界が、言葉では表せない程美しく見えてしまいます。不可能とも思える夢に挑んでいくビンセントの姿に、心を揺さぶられます。リアリティを感じるSFヒューマンドラマとなっているので、普段SF映画を見ない方にも楽しんで頂ける作品です。


4.『ブレードランナー』

© 2007 The Blade Runner PartnershipTM
監督|リドリー・スコット
公開日|1982年 
上映時間|116分

放射能で汚染され、酸性雨が降りしきる2019年のロサンゼルス。外見からは人間と見分けがつかないレプリカント(人造人間)たちは、宇宙開拓のために奴隷として人間に従事していますが、反乱や脱走も繰り返していました。特任捜査官「ブレードランナー」のデッカード(ハリソン・フォード)は、人間を殺してまわるレプリカント5体を捜索することに。その過程で、レプリカントの一人であるレイチェル(ショーン・ヤング)と出会い、彼女に惹かれていきます。

1980年代はSF映画の宝庫とも呼ばれていた時代でした。その中で、公開当時は興行成績が振るわないものの、後にSF映画の金字塔と呼ばれるまでに人気となったこの作品を紹介しない訳にはいきません。人間とレプリカントが見分けがつかないなら、一体「人間らしさ」とは何か?という哲学的な問いかけは、人間を凌駕しつつある現代のAIにも当てはまる、革新的なストーリーでした。

退廃した未来都市のデザインや哲学的なテーマは、公開から40年以上経った今も多くの映画作品に影響を与え続けていたりと、この作品の功績は計り知れません。SFを語るなら絶対に見ておきたい映画NO.1です。ちなみに続編の「ブレードランナー2049」も傑作なので、こちらも要チェックです。


5.『インターステラー』

© Warner Bros. Entertainment Inc.
監督|クリストファー・ノーラン
公開日|2014年 
上映時間|169分

異常気象により食糧危機に瀕した地球で、人類は存亡の危機を迎えていました。トウモロコシ農場を営む元宇宙飛行士のクーパー(マシュー・マコノヒー)は、NASAの要請により、人類が移住可能な惑星を探すラザロ計画に参加することになります。幼い娘を残して宇宙へと飛び立ったクーパーは、過酷な任務に臨むことになります。

再び登場のクリストファー・ノーラン監督作品になります。先ほど紹介したインセプションは人の頭の中で起きているスケールの大きな話でしたが、この「インターステラー」は物理的にも人智を超えた壮大な物語となっています。ノーベル物理学賞を受賞した理論物理学者のキップ・ソーン博士が監修したブラックホールなどの現象や科学的設定が、宇宙空間、異星の息を呑む美しい映像に説得力を持たせています。

そして宇宙に飛び立っていたクーパーと娘の親子愛を描いた作品でもあるので、映画ファンの方はもちろん、宇宙の世界に興味がある方ならより深く楽しめると思います。

多くの映画評論家やSF映画ファンの方達の人生ベスト5に入ることが多い映画界を代表する作品なので、まだ観ていないという方は是非この機会にご覧ください。


6.『エクス・マキナ』

©️Universal Pictures
監督|アレックス・ガーランド
公開日|2016年 
上映時間|108分

世界最大のインターネット会社ブルーブックでプログラマーとして働くケイレブ(ドーナル・グリーソン)は、巨万の富を築きながらも普段は滅多に姿を現さない社長のネイサン(オスカー・アイザック)が所有する山間の別荘に1週間滞在するチャンスを得ます。 そこで、美しい女性型ロボット”エヴァ”(アリシア・ヴィキャンデル)に搭載された世界初の実用レベルとなる人工知能のテストという、興味深くも不可思議な実験に協力することになるが,,,。

SFと言っても一括りにできないのがSF映画の魅力だと思います。この作品はSF・スリラーというジャンルで、公開直後に批評家から絶賛され、確固たる地位を築きました。見どころは何と言ってもエヴァの美しすぎる見た目とその内に秘めた脅威的なAIの能力です。AIは人間を超えるのかという議題は、昨今でもよく耳にしますが、本作はそんなAIと人間の本質的な違いを丁寧に描いています。終始不穏な空気を醸し出しているSF映画なので、ホラーが好きな方にも是非観て頂きたい作品となっています。


7.『her / 世界でひとつの彼女』

©️Warner Bros. Pictures
監督|スパイク・ジョーンズ
公開日|2014年 
上映時間|120分

近未来のロサンゼルス。セオドア(ホアキン・フェニックス)は、他人の代わりに想いを伝える手紙を書く代筆ライターの仕事をしています。孤独感を感じているセオドアはある日、新型の人工知能OSをインストール、女性の声をした人口知能は自身の名前をサマンサ(スカーレット・ヨハンソン)と名乗ります。セオドアは彼女が発する声やユーモアある表現に人間らしい魅力を感じ、次第にサマンサに強い愛情を感じ始めるのです。

AIにまつわる作品が続きます。先ほどの「エクス・マキナ」は未来におけるAIの脅威が描かれた作品でしたが、この「her / 世界でひとつの彼女」では、AIと人間の間に愛は存在するのかという斬新なテーマを扱った映画となっています。物理的な接触が無いAIとの恋愛を通して、人間同士の繋がりや愛の本質という大事な事を考えさせられます。

アカデミー賞で脚本賞を獲得するなど、物語の完成度がとにかく高いのですが、特に筆者が注目して欲しいのはスパイク・ジョーンズ監督のビジュアルセンスです。近未来都市のデザインやセオドアの家の内装、オフィスの雑貨など、どこを見ても待ち受けにしたいくらいお洒落なカットだらけ。SF好きからも、色彩感覚が豊かなアーティストたちからも高い評価を受けている映画というのが納得です。お洒落な映画が好きという方に特に観て頂きたいSF作品です。


8.『オール・ユー・ニード・イズ・キル』

© Warner Bros. Entertainment Inc.
監督|ダグ・リーマン
公開日|2014年 
上映時間|113分

近未来の地球。謎の侵略者”ギタイ”からの襲撃で人類は滅亡の危機にさらされています。戦闘の経験がないケイジ少佐(トム・クルーズ)は最前線に送り込まれ、あえなく戦死し。しかし次の瞬間彼は出撃の前日に戻っていたのです。不可解なタイムループの世界に囚われ、戦闘と戦死を何度も繰り返すことになったケイジ少佐は、特殊部隊の軍人であるリタ・ヴラタスキ(エミリー・ブラント)と共に、徐々に敵を倒す糸口を掴んでいきます。

日本のライトノベル作家、松坂洋の同名小説を実写化した作品です。トムクルーズのアクションとタイムリープのアイデアが絶妙で、観る前の期待値を遥かに超えてきた作品でした。無骨なメカニックデザインも製作陣のこだわりを感じられるという、アクション、SF、メカニックという3拍子が揃った男心をくすぐるSF映画となっています。最初から最後まで主人公がアクセル全開の2時間なので、映画を見てスカッとしたいという方や、何も考えずにSFが見たいという方には特におすすめです。

毛色は少し違いますがトムが主演の「オブリビオン」というSF映画も面白かったり。長くなるので、この話は別の記事で書くことにしましょう。


9.『メッセージ』

© 2016 Xenolinguistics, LLC. 
監督|ドゥニ・ビルヌーヴ
公開日|2017年 
上映時間|116分

世界各地で12隻の宇宙船が突如出現。大学で教授を勤めている言語学者のルイーズ・バンクス(エイミー・アダムス)は、いつものように登壇し生徒たちに授業をしようとしていました。しかし、宇宙船の出現により世界はパニック状態となってしまいます。混沌とする中、ルイーズは、国から言語学のプロフェッショナルとして宇宙船内の知的生命体との接触を要請されることに。果たして“彼ら”が地球に来た本当の目的とは。

宇宙船が突如出現、「よくあるSF映画の設定だな」と思った方、ちょっとだけ待ってください。天才ドゥニ・ビルヌーヴ監督は、よくあるSF映画の設定を簡単に破壊してきます。宇宙船がやって来て、宇宙人がそこに乗っていたら人類はどうするのかという問いに対して、ドンパチをするのではなく、まず対話を試みることが最優先だろう、という部分がこの映画の肝であり、従来のSF映画と大きく違うところです。

そもそも宇宙人は言語を話すのか、話すとしても人類と意思疎通を取ることは可能なのか、という言語学的な観点から語られる物語がとにかく秀逸で、難解ながらも徐々に判明する宇宙人の正体と目的には目を見張る事でしょう。実は「メッセージ」には原作小説がありそのタイトルは「あなたの人生の物語」、映画を観終わる頃にはこのタイトルの意味がきっと理解できるはずです。重厚な物語を観たいという方は是非ご覧ください。

シネドリップでは映画「メッセージ」の解説記事を公開しているので、観終わった方はこちらも併せてチェックしてみてください。


10.『月に囚われた男』

© 2009 Lunar Industries Limited. 
監督|ダンカン・ジョーンズ
公開日|2010年 
上映時間|97分

地球の資源が枯渇した近未来、宇宙飛行士のサム(サム・ロックウェル)はエネルギー源を地球へ送るため、3年契約で月面の基地にたった1人で派遣されていました。話し相手はコンピューターのガーティだけ。地球との交信は衛星の故障によりできず、録音したメッセージをやり取りするだけ。そんな孤独な生活も残り2週間に迫ったある日、作業中に事故が発生します、サムが治療室で目覚めると、そこには衝撃の事実が待っているのでした。

月で孤独な生活をする主人公が違和感に徐々に気づいていく展開がとても見どころの作品です。500万ドルという低予算で製作されたにも関わらず、その綿密なプロットと謎が謎を呼ぶ展開が評論家からも認められ、数々の映画賞を総なめしました。ほとんどが基地内のシーンにも関わらず、ずっと画面に釘付けになってしまいます。デヴィッド・ボウイの息子、ダンカン・ジョーンズが監督したことでも話題となりました。一風変わったSF映画を観たいという方におすすめの作品です。


殿堂入り.『2001年宇宙の旅』

© Turner Entertainment Company
監督|スタンリー・キューブリック
公開日|1968年 
上映時間|149分

400万年前、謎の物体モノリスに導かれた猿人は、動物の骨を武器として使うことを覚えます。やがえ猿人は生物としての頂点に君臨するのでした。人類は発達した脳で知識を蓄え、遂には月に居住空間を作ることにも成功します。2001年、人類はモノリスの謎を明らかにするため、初の有人木製探査へと向かうのでした。

おすすめ10選を総決算するには相応しいSF映画の傑作「2001年宇宙の旅」です。SFというジャンルを抜きにして、映画の歴史を変え、後々の作品に大きな影響を与えることとなった殿堂入りの作品です。先ほど紹介したクリストファー・ノーラン監督の「インター・ステラー」も、「2001年宇宙の旅」から多大なる影響を受けたことでも有名です。

ですが、この「2001年宇宙の旅」は名前は知っているのに何故か観たことがないという作品の代表格で、そもそもあらすじを見ただけでは宇宙を題材にしているという以外はいまいちわからないので当然の事かと思います。

この作品の1番の魅力は、この映画を見たら”何かとんでもない物を見てしまった”という語彙の低下を実感し、開いた口が塞がらなくなってしまいます(筆者だけでしたらすみません)。内容に関しては、公開から50年以上経った今も考察の記事が出ているくらいなので、とても難解な映画という事がわかります。ですが、内容は後回しにしても良いくらい、リアルを追求した宇宙空間の映像や、美しい月の映像には息を呑んでしまいます。

特にキューブリック作品は映像において、シンメトリー(左右対称)の構図をふんだんに使うので、見ていてとても美しいと感じる映画にも仕上がっているので、入り口は、その美しさを楽しむという理由でも良いと思います。SF映画を語る上ではどうしても避けて通ることはできない体験型の傑作SFなので、まだ観ていないという方には是非おすすめしたいです。


まとめ

SF映画のおすすめ10選を紹介しました。宇宙のような壮大な空間に連れて行ってくれたり、はたまたAIなどを通して現実社会にも起こりうる問題を考えさせられたりと、どの作品もSFという枠にとらわれないテーマや独自の世界観を持っていますよね。この先SF映画はどんな未来を描いていくのか、想像するだけでとても楽しみですね。